あ お い 法 律 事 務 所 本文へジャンプ
所長から皆様へ

 
根本的な問いから始めます。
 弁護士にとって一番大切なことは何か。

 「依頼人の身になって考えること」「一つ一つの事案に誠実に取り組むこと」
良く見かけるのは、このような答えです。

 もちろん間違っている訳ではないのですが、漠然としすぎていると思います。
 私なら、こう言い切ります。
 すなわち、
 「弁護士にとって一番大切なことは、勉強することである。したがって、知識が多い弁護士は、たくさん勉強しているから良い弁護士であり、知識が少ない弁護士は、あまり勉強していないから良くない弁護士である」

 弁護士の仕事は基本的には学力勝負です。法律と名のつくものだけで1800くらいありますし、法律と実質的に同じ効力のある最高裁判所の判例も毎週のように新しいものが出されています。
 さらに、我々の取り扱う案件は、法律の知識だけで済むものばかりではありません。建築紛争なら建築の知識、医療事件なら医学の知識が不可欠になります。
 ですので、日本一の難関と言われる司法試験(と言われていたのは以前の話で、最近はかなり受かりやすくなりました)に合格したからといって、それだけでは全然知識が足りません。弁護士でいる限りは、毎日勉強を続けなければならない。
 このように
知識が物を言う世界ですから、どんな疑問に対しても、根拠を示した上で明確な答えを返す弁護士は、日ごろから職務に誠実であり、キチンとした仕事をしてくれる可能性が高いといえます(*)。
 逆に、貫禄・威勢・能弁など知識以外の部分ばかりが目につく弁護士は、いい加減な仕事をしている可能性が高いです(貫禄・威勢・能弁は一般の人相手の交渉ではそれなりに役に立ちますが、裁判になったらまったく通用しません)

 私も学生時代は、多くの方と同じように、自分から好んで勉強したことはありませんでした。しかし、現在は勉強が好きになりました。勉強すればするほど確実に良い仕事ができるからです。

 今年で、法律の勉強を始めてから15年、弁護士10年目になります。仕事を通じて多くのことを学ぶ機会に恵まれました。
 幸い、司法は汚職のない信頼できるシステムです。また、裁判所ほど優秀な人材を揃えている組織はほかにないでしょう。努力すればするほど報われるこの仕事が私はとても好きだし、あらゆる職業のなかで一番自分に合っていると感じています。

     平成22年5月 あおい法律事務所 所長弁護士 飯島 章弘

(*)例えば、不動産の分野ですと、「位置指定道路」、「路地状敷地」などの用語の意味が分からない弁護士では何の力にもならないでしょうし、医療の分野でいうと、カルテやレントゲンの保存期間も知らない弁護士ではお話になりません(不動産屋さんやお医者さんであれば全員答えられることですが、弁護士では知らない人も結構います)。相談に行く前に自分である程度その分野の勉強しておいて、弁護士が基礎的な知識をちゃんと持っているかどうか試しに聞いてみるという手もあるかもしれません。