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あおい法律事務所は、企業再生、事業承継、交通事故、相続、離婚、債務整理などの民事・家事事件を取り扱う総合法律事務所です。

TEL. 029-353-7855

〒310-0062 茨城県水戸市大町1丁目2番27号

よくある相談と回答例

事業再生・会社の倒産処理

【会社の倒産処理】

Q:会社の整理を考えています。手続きの種類と大まかな流れを教えてください。

A:会社整理には、自主清算と破産があります。
 このうち自主清算は、負債を100%返済することが前提となります。
 したがって、金融債務などの負債を完済できない場合は、破産を選択することになります。
 破産手続は裁判所に申請することから始まります。
 破産手続が開始されますと、裁判所によって選任された破産管財人が会社の資産を換価し、債権者に配当をします。
 配当で足りない分は、免除されます。
 会社の負債は代表者も連帯保証していますので、代表者個人の破産も併せて行うのが通常です。
 代表者個人の破産手続は、会社の場合とは若干異なります。
 まず、代表者個人の資産については、生活保障のために最大99万円まで残すことが認められています。
 他方で、税金については、配当で足りなかった分も免除されません。

 破産を考えている方が絶対してはいけないことは、弁護士に依頼する前に資産の名義を移すことです。
 これをしてしまうと、後々大きな問題になります(最悪のケースですと、債務の免除=免責を認めてもらえないこともあります)。

 最後に費用についてですが、どんな小さい案件でも弁護士・裁判所トータルで85万円以上の費用がかかりますので、まだ余裕のあるうちに決断してください。

【事業再生】

Q:過去の設備投資の失敗により莫大の負債を抱えています。本業自体は利益を上げており、何とか負債を整理しつつ事業を再生させたいのですが、良い方法はありませんか。

A:事業再生にあたって、もっとも広く使われる方法としては、リスケジュール(条件変更)があります。
 リスケジュールとは、金融機関と交渉して返済条件を緩やかに変更してもらうことを言います。
 リスケジュールであれば、多くの場合、弁護士は必要ないでしょう。
 ただし、リスケジュールでは元金カットまではしてもらえず、負債が莫大である場合には問題の先送りにしかなりません。
 過去の負の遺産を整理するためには元金カットにまで踏み込むことになりますが、それには弁護士の助けが必要となります。
 方法としては、話し合いによる私的整理と裁判所を通す民事再生の二つがあります。
 減価償却前の営業利益が黒字であれば(又は、業務改革で黒字化する見込みがあれば)、いずれの手続も検討対象となります。
 このうち私的整理は、金融機関のみを対象とするのが一般的で、手続を公にされないというメリットがあります。
 他方で、全ての金融機関に同意してもらわないと元金カットにならないという、大変ハードルの高い手続きでもあります。資産隠しをしていたり、粉飾決算をしていたりすると、同意をもらうのが難しくなります。
 これに対し、民事再生では、債権者の2分の1超の賛成が得られれば元金カットになることから、かなり成功率の高い手続といえます(ここで「債権者の2分の1超」とは金額面で2分の1超、有効投票数の2分の1超の両方を満たすことを意味します)。
 他方で、手続を取ったことが公になり、風評リスクにさらされるというデメリットがあります。
 いずれの手続でも、弁護士に加え、会計士・不動産鑑定士などにも依頼することになりますので、手持ち資金に余裕のあるうちに弁護士に相談に行ってください(例えば、負債5億円規模のケースですと、トータルで最低1000万円程度は必要です)。
 事業再生は破産に比べて難易度が高く、対応可能な法律事務所は限られていると言えます(取扱い経験のある弁護士は全体の1割未満だと思います)。
 

【一部の事業を譲渡して破産することができるか】

Q:会社の破産を考えています。店舗を複数持っているのですが、その一部の店舗について、店長が事業を譲り受けたいと言ってきました。スタッフの雇用も維持できるので、できれば要望をかなえてやりたいのですが、破産しても事業譲渡はできるでしょうか。

A:適正な対価さえ払っていただければ可能です。当事務所でも過去に何件か取り扱っています。
 対価の設定が一番難しいのですが、小規模店舗の場合、次のような考え方を基本線としつつ、後はケースバーケースで考えていきます。

 @未回収の売掛金      額面価格
 A店舗の敷金        額面価格
 B材料・商品などの棚卸資産 帳簿価格(仕入れ価格)
 C自動車          中古下取り価格
 D設備・什器        帳簿価格(減価償却後の残存価格) 又は 中古下取り価格
 
 従来は、会社が破産すると、従業員は全員解雇、設備・什器も全部スクラップ、というのが当たり前でした。
 事業譲渡をすれば、雇用は維持できるし、債権者への配当率はアップするし、大家さんは助かるし、ゴミは減らせるしと、破産による被害をかなり軽減できます。
 民事再生などの法的な事業再生手続きは費用負担が大きく、小規模事業者には向きません。破産と事業譲渡を組み合わる手法はこれから広がっていくと考えています。


【破産しても自宅を残せるか】

Q:事業に失敗して自己破産を考えています。自宅や事務所には銀行の抵当権が付いています。破産すると競売にかけられてしまうと聞いていますが、なんとか自宅だけでも残す方法はないでしょうか。資金面は兄弟が協力を申し出てくれています。

A:担保権者から自宅を買い戻すことができれば、自宅を残すことができます(これを”任意売買”といいます)。任意売買は、いわば競売にかけずに独占的に交渉してくれと言うのですから、時価又はそれに近い金額を提示することが必要です。あまりに低い金額を提示すると、担保権者に不信感を与え、それ以上の交渉を拒否されることがあります。よって、本当に自宅を残したいのなら、あまりケチらないほうが賢明です。
 価格面で折り合いがつかずに任意売買がとん挫してしまっても、まだあきらめないでください。
 債務者本人以外の方であれば、誰でも競売に参加することができます。
 競売での落札価格は任意売買の価格よりも低くなることが通常です。したがって、あなたの予算内の金額で買い戻せるチャンスはまだ残っています。

 
 

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弁護士 飯島 章弘
弁護士 小林 憲生