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あおい法律事務所は、企業再生、事業承継、交通事故、相続、離婚、債務整理などの民事・家事事件を取り扱う総合法律事務所です。

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〒310-0062 茨城県水戸市大町1丁目2番27号

よくある相談と回答例

個人の債務整理

【個人の債務整理全般】

Q:多額の負債を整理したいのですが、どのような方法がありますか。
 借金の原因がギャンブルでも債務の整理はできますか。
 債務整理をすると自宅は処分されてしまうのでしょうか。
  

A:個人の債務整理には、以下の3つの方法があります。

@任意整理
 相手方の業者と個別に話し合い、分割払いの合意をする手続きをいいます。
 元本カットまでは難しいのが現状ですが、大手であれば、大抵3〜5年までの分割払いには応じてもらえます。
 任意の話し合いですので、借金の原因は問われず、また、自宅を手放す必要もありません。
 私の経験では、負債総額が150万円を超えると、せっかく任意整理をしても途中で返済に行き詰ることが多いようです。

A破産
 裁判所で法的に負債を整理する手続きです。
 めぼしい資産がない方については、裁判官の面接だけで手続きは終了します(これを同時廃止といいます)。
 他方、それなりの資産(現金であれば33万円以上)を有する方については、裁判所が破産管財人を選任し、本格的な手続にします。2回目の破産の場合も、破産管財人が選任されることが多いです(破産管財人が選任される割合は年々増加する傾向にあり、茨城では30〜40%です)。
 破産管財人は破産者の資産を処分し、債権者に配当を行うのが任務ですが、全ての資産を処分するわけではなく、通常は総額99万円までの資産は破産者に残し、それを超える部分だけ処分します。
 破産手続きで配当されなかった負債は全額免除となります(税金や年金保険料は除く)。
 このように借金全額免除という強力な効果があるため、借金の主な原因がギャンブルなど浪費の場合は使えないことになっています(このような方は、下記の個人再生を利用してください)。
 また、後述する個人再生とは異なり、住宅ローンの特別扱いは認められておらず、不動産を失うことになります。よって、自宅を残したい方には使えない手続きです(ただし、親族に時価で買い戻してもらう方法はあります)。
 
B個人再生
 裁判所に負債を100万円程度に圧縮してもらい、これを3〜5年間で分割払いしていく手続きです。
 個人再生のメリットとしては、住宅ローンに限って支払の継続が認められている点が挙げられます。
 したがって、破産と違い、自宅を残しつつ負債だけ整理することができます。
 自宅以外の資産も、トータルの返済額(100万円程度)の範囲内であれば、そのまま保有することが認められています。
 また、借金の主な原因がギャンブルでも利用できます。
 難点としては、個人再生委員(裁判所が選任する弁護士で、手続全体を監督します)の費用20万円がかかることが挙げられます。もっとも、6回の分割払いで、かつ、債権者に対する返済とは時期が重ならないように配慮されていますので、安定収入があれば支払いに行詰まる心配はあまりないでしょう。

【家族に知られずに債務整理できるか】

Q:多額の負債があり、債務整理を考えています。家族に内緒で借金をしてしまったこともあり、できれば家族に知られずに債務整理したいのですが、可能でしょうか。
  

A:上記3つの債務整理の方法のうち、任意整理は、裁判所を通さない手続きですので、ほとんどの場合、家族に知られずに手続きを進めることができます。
 これに対し、自己破産と個人再生は、家計の状況を裁判所に明らかにするように求められる関係上、同居の家族名義の書類を提出しなければならないケースがあります(給与明細書、年金支給額通知のはがき、水道光熱費の引き落とし通帳など)。
 結局、家族に知られずに手続きを進められるかどうかは、それらの書類のコピーをあなたが入手できる立場にあるかどうかという点にかかります。


【破産するとどうなるか】

Q:@小規模店舗を経営しています。破産すると廃業しなければならないのでしょうか。
 A給与所得者です。破産すると職場に通知が行くのでしょうか。
 B公務員です。破産すると退職しなければならないのでしょうか。
 C破産した場合のデメリットにはどんなものがありますか。
  

A:@破産したら廃業しなければならない業種もありますが(不動産業など)、普通の小売業・サービス業については、破産しても事業を継続することは禁止されていません。
 ただし、高価な設備や売掛金などは破産管財人に引き渡さなければなりませんし、買掛金をどうするかなど、スムーズに進めるにはかなりのテクニックを要しますので、その辺りを分かりやすく説明してくれる弁護士に依頼してください(もし、破産するなら廃業しか選択肢はありません、という説明を受けたら、その弁護士は能力的に問題があります。依頼しないほうが無難だと思います)。
 A破産しても職場に通知は行きません。官報という政府の刊行物には破産者として掲載されますが、一般の方が目にすることは、まずありません。ただし、職場から借入れしている場合は、債権者として連絡が行ってしまうので注意が必要です。
 B公務員だからといって、破産しても退職する必要はありません。勤務先の役所に通知が行くこともありません。ただし、共済組合から借入がある場合、これも破産で整理される債務に含まれますので注意が必要です。
 Cブラックリストに掲載され5〜7年間くらい借入れができなくなること、破産したら辞めなくてはならない職業があること(保険会社、証券会社、警備会社など)、多額の資産を保有している場合には処分しなければならないこと、破産のデメリットと言ってもその位です。
 日本の法律は破産者の再出発にかなり優しいと言えます。
 ただし、破産申請前に資産の名義を変えたり、身内の借入金だけ優先的に支払ったりするような不公平なことをすると、厳しいペナルティが待っています。何も手を付けない状態で弁護士に相談してください。

【子供の借金の肩代わり】

Q:息子がパチンコで数百万円の借金を作ってしまいました。破産などさせると将来にかかわると聞きます。妻は息子も反省している様子なので、今回に限り肩代わりしてやろうと言っていますが、私は同じことを繰り返されたりしないか懸念しています。どうしたら良いでしょうか。

A : 私の経験では、このケースで借金を肩代わりすると、息子さんは、かなりの確率で同じことを繰り返すと思います。
 親が尻拭いなどすると、今後も心のどこかでそれをあてにして、後先考えずに目先の楽しみのために借金を作ると思います。
 たしかに、破産、個人再生などの法的整理をすると、5〜7年くらいは、クレジットカードは作れなくなり、自動車のローンも組めなくなります。しかし、息子さんは計画的に借入れできるほど成熟していないことは確かなので、むしろそのほうが良いのではないでしょうか。


【古い借金の督促状が届いた】

Q:5年以上前の借金の督促状が届きました。長期間放置していたのは事実ですが、その間、催促もされていませんでした。支払わなくてはならないものでしょうか。

A :最後の支払いから5年以上経過していれば、借金は時効により消滅します。ただし、その間に相手方が訴訟を提起し、判決を取っていれば別です。最後に支払ったのがいつか覚えていない場合や訴訟を起こされたかどうかわからない場合は、とりあえず文書で消滅時効を主張をして様子を見てください(これらの手続き全部を弁護士に委任する場合は、1件あたり4万〜5万円程度の弁護士費用と2000円程度の実費がかかります)。
 なお、督促状に記載されている相手方の連絡先には絶対に電話をしないでください。うかつなことを言ってしまうとと時効の権利を放棄したとみなされる場合あがあります(金融業者は、常にそれを狙っています)。
 

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弁護士 飯島 章弘
弁護士 小林 憲生