契約トラブル
【契約トラブルを理由とする慰謝料請求】
Q:ある業者との間で契約トラブルになりました。結果的に支払った代金は全額返還されましたが、それまでの相手方の不誠実な対応により精神的苦痛を受けました。このような場合、慰謝料請求はできないのでしょうか。
A:よく受ける相談の一つです。心情は理解できます。
しかしながら、結論としては、慰謝料請求はできません。
日本の裁判実務では、契約トラブルについては、金銭的な面が解決されたことよって精神的な苦痛も”慰謝”されたとみなしているからです。
【契約書の記載とは異なる合意をした】
Q:長年取引している相手方とトラブルになっています。契約書の記載を口頭で追加、変更しているのですが、従前の担当者が急に辞めてしまったために、相手方から知らないと言われています。
裁判も考えていますが、契約書の記載とは異なる合意をしたことを認めてもらうにはどうしたら良いですか。
A:書面と違う合意をしていたと裁判で主張しても、まず認められることありません。あなたが事業者であれば、なおさらそうです。
あなたもビジネスをやる以上、このことは頭に置いておく必要があります。
契約書の記載を追加、変更したのであれば、とにかく形にしてもらうようにしてください。
正式な追加・変更契約書を取り交わすのがべストですが、ファックスやメールでも発信元さえ明記されていれば口約束より各段にリスクを軽減できます。