本文へスキップ

あおい法律事務所は、企業再生、事業承継、交通事故、相続、離婚、債務整理などの民事・家事事件を取り扱う総合法律事務所です。

TEL. 029-353-7855

〒310-0062 茨城県水戸市大町1丁目2番27号

よくある相談と回答例

不動産(売買、賃貸借、建築)

【競売にかけられた不動産の買戻し】

Q:ローンが払えず自宅が競売にかけられました。買い戻したいのですが、どうしたらよいですか。

A:買い戻す方法は2つあります。
 一つ目は、競売で入札する方法です、債務者以外であれば、どなたでも入札可能です。
 競売での落札価格は実勢価格より低いのが通常ですから、買戻し価格を抑えることができます。
 他方で、一般競争入札であるために確実に落札できる保証がないというリスクが伴います。
 そこで、二つ目の方法として、”任意売買”がありります。”任意売買”とは、担保権者に買戻し代金を支払って競売を取り下げてもらう方法です。
 担保権者と一対一の交渉ですので、確実に買い戻すことができる点はメリットです。
 他方で、競売の落札見込み額より相当高めの金額を提示しないと担保権者は応じないとうデメリットもあります。
 当事務所で取り扱った例ですと、競売での入札を選択された方が2割、任意売買を選択された方が8割といったところでしょうか。
 やはり、確実に買戻したいという気持ちが優るのかもしれません。

 競売の取下げは開札日の前日が期限とされています。協議に必要な期間を考えますと、任意売買を希望されるのであれば、遅くとも入札期間初日の2週間前までには申し入れをしたほうが良いと思います。

【賃貸アパートに家財道具が残置されているケース】

Q:賃貸アパートを所有していますが、賃借人が家賃を延滞したまま突然いなくなってしまいました。
 窓から居室内を見たところ、家財道具が残置されています。要らないから置いていったものと判断して、こちらで処分してもよいでしょうか。

A:持ち主に無断で処分してはいけません。相手に非がある場合でも、自力救済は法律で禁止されているからです。
 裁判所で判決をもらって明渡しの強制執行をする必要があります。費用も手間もかかって大変ですが、法治国家である以上、これは致し方がないと考えてください。
 無断で処分して後で持ち主に訴えられたら、ほぼ確実に負けます。

【賃貸借期間満了に伴う明渡請求】

Q:店舗を賃貸しています。業績が好調なので現在の場所で営業を続けたいと思っています。賃貸借期間が近く満了するのですが、家主から賃料の値上げに応じないと契約を更新せず、明渡請求すると迫られています。足元を見られているようで納得できないのですが、対抗策はないでしょうか。

A:契約書上の賃貸借期間は、実は、法律上大した意味を持っていません。
 契約書に定められた用途に従って物件を使用していて、家賃も滞りなく支払っていれば、契約書上の賃貸借期間に関係なく借り続けることができると法律に書いてあるからです。
 賃料額の変更は双方が合意しないと出来ないのが原則です。一方的に変更する方法もあるにはありますが、現行の賃料が周辺の賃料相場にそぐわなくなった場合などに限られます。いずれにせよ、賃料の値上げを契約更新の条件に持ち出すのは間違いです。強気に交渉していただいて結構です。
 以上の説明は、通常の賃貸借契約を前提としています。定期借家契約という特殊な契約をしている場合は、話は全く違ってきます。よくわからないときは不動産に詳しい弁護士に相談するのが一番です。

【自宅の新築工事中に建設会社が倒産した】

Q:自宅の新築工事を依頼した建設会社が工事途中に破産しました。
 工事代金は3分の2ほど支払い済みですが、やっと上棟した段階で、内外装・設備工事は手つかずの状態です。残工事を別の建設会社に依頼すると、予算オーバーになってしまいます。支払い済みの工事代金の一部だけでも返還してもらうことはできませんか。


A:工事出来高を超える代金の支払いをしている場合、超過分を他の債権者に優先して返還してもらえる可能性があります。
 もちろん破産会社の資産がゼロであればそれも無理ですが、最近まで営業していたのですから、未回収の工事代金があったり、換価可能な重機を保有していることも考えられます。
 マイホームは一生に一度の大きな買い物です。すぐにあきらめずに、損失を最小限に食い止めるよう手を尽くしたほうが良いと思います。
 冒頭で、あなたの権利は”他の債権者に優先”すると記載しましたが、正確な知識に基づいて行動しないと、この貴重な優先権を失うこともあります(破産法がそのような作りになっています)。
 この辺りの知識をきちんと持っている弁護士に相談することをお勧めします。
 
【欠陥住宅トラブル】

Q:自宅の新築工事を注文しました。先日、建物の引き渡しを受けたのですが、@雨漏りがする、A引き戸がつかえて閉まらない、B外壁のモルタルの仕上げが工務店側に伝えたイメージと全然違う、等々工事の不備が次々見つかります。
 欠陥住宅だと思うのですが、補修を請求することはできますか。

A:建築工事の「欠陥」「不備」といっても、様々なレベルがあります。
 まず、種類で大別し、法的に責任追及しやすい順に並べますと、「安全・衛生上の問題」、「機能上の問題」、「美観上の問題」に分類できます。
 もちろん、「欠陥」「不備」の程度・大小も問題となります。
 結局、「欠陥」「不備」の種類及び大小を総合考慮して、補修を請求できるかどうか判定することになります。
 以上を踏まえ、本件を検討します。
 まず、@雨漏りは「安全・衛生上の問題」です。また、無視してもよい軽度の”雨漏りというのはありません。よって、常に補修を請求できます。
 次に、A引き戸がつかえて閉まらないというのは「機能上の問題」ですが、閉まらないのでは引き戸の機能を果たしていないと言えます。よって、補修を請求できると言ってよいでしょう。
 最後に、B外装のモルタルの仕上げがイメージと違うということですが、建物の安全性や機能には関係しない「美観上の問題」です。
 誰が見ても雑な仕上がりだというのであれば、「欠陥」「不備」に該当すると言えるのでしょうが、イメージと違うというのは多分に主観の問題です。
 よって、常に、補修を請求できるというものではありません。
 発注に際してどこまで具体的にイメージを伝えたか、代金が平均以上であるかどうか等の事情を総合考慮した上で判断されます。

【工事代金を追加で支払うよう要求された】

Q:知人から紹介された工務店に自宅の新築工事を注文しました。当方の予算を伝えて、何度も打ち合わせを重ね、契約に至ったのですが、先日、予算をオーバーしたとして追加代金の請求をされました。相手の要求額を支払わないと工事は続行しないと言っています。どうしたらよいですか。

A:代金を明示して契約したのですから、それ以上支払う必要はありません。業者側の勝手な事情で工事をストップされたのであれば、契約解除や損害賠償の対象になります。残念ながら中小規模の工務店の一部にこのような言い分を平気で言ってくる業者がいます。一度要求に応じると、後で同じような要求を繰り返される可能性があります。
 大手のハウスメーカーであれば(ただし、フランチャイズは別)、このようなトラブルは起こりえないのですが、その分価格が高いのが難点です。
 

あおい法律事務所

〒310-0062
茨城県水戸市大町1丁目2番27号

TEL 029-353-7855
FAX 029-353-7856

弁護士 飯島 章弘
弁護士 小林 憲生